氷川清話 (講談社学術文庫)勝海舟 ¥ 1,050 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
氷川清話 (講談社学術文庫) | |
| 勝を嫌う人間は大抵が小説家の勝観が元であることが多い。 曰く、近藤勇を見捨て、会津を見捨てた男ということらしい。だが、勝を嫌う前に勝の置かれ た立場を考えるのが先決であろう。 ある意味勝の放言ばかりであるが、それだけではない勝自身の反戦観が書かれており 日清戦争を「兄弟喧嘩」という例えは優れているかもしれない。 言いたい放題言いまくった勝ではあるが、的を外さず厳しい警告は現代に相通じるものが あるのかもしれない。 勝海舟は幕末を30年生きた。自分を殺しにわざわざ自宅に来た竜馬を海外に目を向けさせ、西郷と談判して無血開城させ、大久保に東京の繁栄をたのんだ。 幕末から明治の生き証人は、維新後30年して、徳川慶喜を明治天皇に会わせることによって仕事に締めくくりをつけた。 本書は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」などを読んでおくと、人物評伝等はとても興味深く読めることでしょう。また、今日の政治のあり方や当時の時勢を知る資料ともなるでしょう。 しかし、今の時勢にこういう人はいない。貧乏は30まで続いて庶民の気持ちもよく分かるようだし、剣術・禅の稽古で胆力を鍛えたようだし、学問も「活(いき)(学... | ||
こころの処方箋 (新潮文庫)河合隼雄 ¥ 420 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
こころの処方箋 (新潮文庫) | |
| ユング研究の第一人者で臨床心理学者の河合隼雄先生の書かれた「心の処方箋」その名前の通り、心に沁みる言葉でいっぱいです。 私は本を読むときボールペンで線を引きながら読むのですが、この本は線を引くところが他の本に比べてすごく多いです。 質の高い良い文章で大半が構成されていて、線を引かない部分を探すのが難しい章もあります。 読む人によって印象に残るところは違いと思いますが、困ったときに読めばきっと心の処方箋になると思います。 私が感動を受けたのは他にもありますが、読むときの自分の気持ちで感じ方も違うので手元において何回も読み直したいと思います。各章の題の中にある「人間理解は命がけの仕事である」であるとか「理解ある親をもつ子はたまらない」であるとか、これまである種逸脱した心をもった患者との修羅場をくぐり抜ける経験から、あるいはそうだったからこそなのか、文章の中に滲み出る人間に対する優しいまなざしに、静かな感動を覚える。「人の心など分かるはずがない」であるとか「心配も苦しみも楽しみのうち」であるとか、我々が普段頭で考えていることと、実際に感じていることの差異を明らかにしてくれる... | ||
こころと脳の対話河合隼雄 茂木健一郎 ¥ 1,260 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
こころと脳の対話 | |
| 臨床心理学者の河合氏と脳科学者の茂木氏が、それぞれの専門である「こころ」と「脳」についての3回の対談をまとめた一冊です。 河合さんの考えは、従来の研究者らしくありません。 「全体を認識することが大事であって、解釈する必要はない」と言います。クオリア(感覚質)をライフワークとする茂木さんと、対談の冒頭から意気投合するのは、必然のなりゆきでした。 あの自信たっぷりの茂木さんが「河合先生の言葉、宝石のようです」と感嘆してしまいました。こんな茂木健一郎、見たことありません。 本書の内容は、2006年に月刊誌に掲載されたものをまとめたものです。 対談が2年前に終わっているのに、なぜこんなに出版まで間があいてしまったのでしょうか。せちがらい今の出版界事情では、次々と新刊を繰り出さなければやっていけないはずです。 詳しい事情はわかりません。 河合さんの遺族に配慮したのかもしれませんし、単に編集担当者の怠慢だった(笑)のかもしれません。 読み終わって私が感じたのは、河合さんが治療と研究に取り組んでいる姿が、目に浮かぶように生き生きと感じられたことです。 もし、河合さんが亡... | ||
「あるがまま」を受け入れる技術 (PHP文庫 か 1-2) (PHP文庫)谷川浩司 河合隼雄 ¥ 580 通常24時間以内に発送 |
「あるがまま」を受け入れる... | |
| ・・・ | ||
ユング心理学入門河合隼雄 ¥ 1,365 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
ユング心理学入門 | |
| 入門書というのは難しくてはいけない。 特にユングの場合はユングが書いた本が難解(というか、読者向けに書かれていないような気がする)なため、 他にも多くの入門書がある。 しかし、内容が余りに浅すぎて読み終わってもたいした知識も得られなかったという入門書も少なくない。 その点、この本は簡単すぎない。 一日で軽く読んでしまおう、というレベルの本ではない。 だから、他のどの入門書と比べても、 「しっかりユング心理学を勉強したい人向け」の本と思う。 著者が世界的にも有名な日本のユングの第一人者で、 惜しくも亡くなられてしまった河合先生である。初版は1967年である。 以来版を重ねて、僕が買った分は2007年1月発行の第57刷。 四十年余の風雪に耐え、市場に受け入れられ、改訂なしで今も店頭に並んでいる。 それほど完成度が高いということか。 「ユング心理学について体系的に、初学者にもわかるようにまとめられた入門書」 ひとことで言うとそういうコトになってしまうが、本書はそんなやわなシロモノではない。 単なる専門書の域を越えた「読み易さ」「味わい深さ」「専門書としての学術性」を兼ね備えている。 ... | ||
Q&Aこころの子育て―誕生から思春期までの48章 (朝日文庫)河合隼雄 ¥ 525 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
Q&Aこころの子育... | |
| 読む人や読む時期によって見えてくるヒントが違う本だと思います。 読むと楽になるような事が書いてありましたが、私は逆に身が引き締まりました。 理屈じゃなく頭で考えるのではなく人間と人間の付き合い方で基本的な事の重要性と勘は世の中今一番欠けていて一番不安な所で答えが一つではない所だと思うので、そこを何とかするのはやっぱり難しいなと思いました。マニュアルや色々な子育て論は参考程度に、私自身の経験や勘も大事にして心も成長させながら子育てしなたいなと思いましたが、、主人の感想は考え過ぎだと思うよ〜皆そんなに色々考えてないと思う、、でした(笑)まあ子供の相手しないで本読んであーだこーだ言うより主人のようにゴロゴロ子供と寝転んでオナラかけあって喜んでいるのもいいかな??河合先生のお話がそのまま関西弁で書かれていて、 お話を聞いているように気軽に読めますが、 他の方も書かれているように、 その内容は本当に深く、 子育てに対してだけでなく、 の日本社会に対しても啓示に満ちている本だと思います。 心に刻んでおきたい、覚えておきたいことが こんなに多く書かれていた本は初めてかも知れません。 多くのページ... | ||
海舟語録 (講談社学術文庫)勝海舟 ¥ 1,050 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
海舟語録 (講談社学術文庫) | |
| 老いた幕末の大立者が気ままに語り散らす 気分爽快・気宇壮大の一冊、 という点では「氷川清話」と同じだが、 より肉声に近い編集になっている。 ただその分散漫で読みにくいかも。 ちなみに若い頃の顔写真によく似ているのが スター歌手の郷ひろみ。 というわけで、郷さまも読んでね!! 明治28年から32年、勝72才から76才で亡くなる直前まで、ジャーナリスト巌本善治氏が勝の自宅に通って直接聞き書きした談話録である。司馬の小説で度々引用されるので興味をもって読んでみた。 日清戦争など明治30年ごろの政局に関する話題と、明治維新の昔話が多いが、なんといっても明治維新の話題が大変興味深い。鳥羽伏見の戦いで徳川慶喜が大阪城を捨てて江戸に逃げ帰った日の話とか、勝と西郷の江戸城無血開城の日の話とか、維新の裏話が満載である。 江戸時代までの武士の時代と、明治以降の近代は、どういうわけか筆者のイメージの中では完全に断絶していて、どちらも同じ日本の話であるという実感が持てなかった。しかし、勝のべらんめえ調の話し言葉は今とそんなに変わらない。そのべらんめえ調で、「河上彦斎はすぐに人を斬るひどい奴だった... | ||
子どもの宇宙 (岩波新書)河合隼雄 ¥ 735 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
子どもの宇宙 (岩波新書) | |
| 子供が4,5歳の頃(9年前)購入して読んで感激しました。 子供の成長の折々にいくつかの本を与えました。特に下の長女の 本好きのきっかけになったのではと思っています。 幼少期、思春期といった成長過程の中で揺れ動く心をサポートしたいと思うのが親心ですが 実際の行動が可能性を殺したり、芽を摘んだりになってしまうと言うことも警告してくれます。何度も読み返したい素晴らしい著書です。小2の女の子と年中の男の子の子育て真っ最中なので、 この本を読む前に「Q&Aこころの子育て」を読みました。 そちらがあまりも面白く、読みやすく、心に残ったため こちらの本は、文章が固く感じられ、少々魅力に欠ける気がしてしまいましたが もちろん良書であることに違いはないです。 日々の雑事に追われる大人が忘れ去っている大切なことを 子供たちは、いつも心にもって生きている。 子供の心に寄り添うことで、大人もその大切なことを 思い出させてもらえる。 河合隼雄氏は、そのことを実に深く理解されている方だったのだと思います。 この本の中で紹介されている児童書を 少しずつ時間を見つけて是非読んでみたいと思います。 まずは「のん... | ||
ベトナム戦記 (朝日文庫)開高健 ¥ 546 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
ベトナム戦記 (朝日文庫) | |
| まだ少年と言える時代に読んでしまった。戦争とはいったい何なのか?など考える余裕などなかった。 「ベトコン少年、暁に死す」の項を読まなければ良かったと後悔しつつ読み続けた。胃の辺りが石を飲んだように重くなって、目には涙が浮かんできたのを今でも覚えている。 開高健先生は、私にとって人生の師と勝手に決めているのですが、この本の内容は中学生の私にとっては厳しすぎたと思う。 今、子供にも開高先生の小説を読むように勧めているが、この本はもう少し後にしようと心に決めている。 「ベトナム戦記」という本の存在だけは知っていたが、ようやく手にとって読んだ。 これは、開高健氏のベトナム従軍記です。いままで戦争に関する本はいくつか読んだが、「ナンバー・ワン」です。 ベトコン少年の公開処刑を書いた「ベトコン少年、暁に死す」の章から最前線に赴く後半の章は、臨場感があって、実際に開高氏と一緒にいるような妙な感覚になる。一流小説家である開高氏の文章の力だろう。 この本のなかで「ベトコン少年、暁に死す」の章は特に凄い。凄くて深い。「戦争」や「人間」の存在そのものの本質をわしづかみにするような迫力ある文章である。... | ||
伊豆の踊子 (新潮文庫)川端康成 ¥ 380 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
伊豆の踊子 (新潮文庫) | |
| まずは短編のお話だったのにびっくり。 今回読んだ本には、4編の短編が掲載されておりページ数にすると 全部で200ページ弱でした。 伊豆の踊子は有名なタイトルで、映画にもなっているので 本をとったときに1冊すべてがそのお話かとも思っていました。 終わり方も、その後どうなったのだろうと思わせるもので 続編があるのではと思ってしまうような 色々と気になる部分を残して、あれこれ考えてしまいました。 はんなりと、そしてたおやかな日本語によって表現することにおいて谷崎の正当な後継者、 その文体にどこか厭世的で死への憧れを湛えることにおいて独特の香気を放つ。そんな川端の 美質が典型的に表現された作品が表題作の『伊豆の踊子』。 いい人ね。 もしもこのことばが他の者によって発せられたものならば、「孤児根性で歪んでいる」私は そう簡単に聞き入れることもなかったであろう。 しかし、それは他ならぬあまりに純粋無垢な踊子のことば、打算の余地などそこにない。 私は素直に受け入れる。こうして私の自己承認が果たされる。あたかも処女にして聖母 マリアを思わせる、清らかな救済だ。 しかし、それも束の... | ||
雪国 (新潮庫 (か-1-1))川端康成 ¥ 380 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
雪国 (新潮庫 (か-1-... | |
| この本を手に取ったのは何歳の時だっただろう。とても背伸びしていたように思う。内容も理解できなかった、ということだけ記憶している。いつの頃からか、冬になるとこの本を読むようになった。初めは、冬だから「雪国」というただのミーハーだったが・・・。繊細な文章や、雪のない地方に住む私には、トンネルを過ぎると一面雪の世界があり、そこでの物語のようなはかないイメージに惹かれていた。いや、物語は物語であっても、雪に閉ざされた人々の心には何かしら、心に秘めたものがあるに違いない・・・と。完全にこの川端作品に洗脳されてしまったようだ。けれど、実際は雪国は大変なようだし、決して閉ざされた空間でもないのだろう。ロマンティツクな表現など雪のない地方に住むからであろう。しかし、何度もこの作品を読んで思う。雪国、やはり憧れる。寒くても、そばに誰かがいてくれるから温かいということもある。駒子のように困難を乗り越えようとする姿を応援したいと思う。この作品を理解できる年齢になったのだと思う。特に列車の中での描写、心理描写がとても巧みです。 雪国のちょっとサビれた温泉街、その雰囲気と時代 背景がとても上手く出ています。 ... | ||
センセイの鞄 (文春文)川上弘美 ¥ 560 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
センセイの鞄 (文春文) | |
| 何だか、現実感のまるでない、どこか美しい絵画か、風景か、そういうもののような小説だと思いました。 読み始めよりも後半以降にどっと世界に引き込まれました。簡単にエロティックな場面にならないからこそ、引き込まれたのでしょう。徐々に、自然に、肌が触れてゆく緊張感は恋愛の歓びを思い出させてくれるようです。 居酒屋で飲み食いする小説を自分でも書いてみようかな、なんてしょうもないことを考えていたのですが、既に川上さんが書いてたんですね。 しかも、年の離れた先生とのやりとりをクールにさらりと織り交ぜながら。 最後先生とセックスしてしまうのは、自分としては反則のような気がしましたけど。 前半からは何となく文字を追いかけて読んでいたのですが、中盤から後半、その世界にすっかり入ってしまいました。自分自身の状況も影響してか、たとえではなく、体がじいいぃぃぃ〜〜ん・・・としびれて、本当に恋愛していた頃の「切なくて苦しい」ような感動?感覚?がありました。いやぁー、すごかった。メジャーな本だとは知っていて、たまたま借りた本でしたが、これを皮切りに川上さんの本を読み始めようと思っています。最初は、高校時代の... | ||
昔話の深層―ユング心理学とグリム童話 (講談社プラスアルファ文庫)河合隼雄 ¥ 987 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
昔話の深層―ユング心理学と... | |
| この本にもっと早く会わなくて良かった。 もっと早くあってたら臨床心理士を目指しちゃってたかもしれない。 この本を読んでると何度も背筋がぞくぞくした。 怖いってわけじゃないけど恐ろしい。本書の最初に出てくる昔話は「トルーデさん」。たった2ページの話だが衝撃の結末に目を疑う。これを河合隼雄はユング心理学の元型の一つ『グレート・マザー』の暗黒面の現れと解釈している。 昔話もこういう見方をすれば、より深くそして怖ろしいものだと思い知る。 この本を読めばユング心理学が概観できるので何度も読み返したい。 著者のご冥福をお祈りしつつ、星5つ。 京都大学教授でユング心理学者の河合氏による昔話の解説で、 特に昔話から読み解ける人間の本質的思考パターンについて分析されています。 エディプスコンプレックスや母親殺し、母性/父性性の内在や性意識の目覚めなど、 人間の無意識に共通する元型が広く知られている物語から見出されています。 すらすらと読み流すこともできますが、自分自身へと問いかけながら読み進めることで、 これまで意識下にあった内面を発見できるのではないでしょうか。 ユング心理学派の日本の第一人... | ||
父親の力 母親の力―「イエ」を出て「家」に帰る (講談社+α新書)河合隼雄 ¥ 880 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
父親の力 母親の力―「イエ... | |
| 前半は割と読み流したのですが、 後半は引き込まれるように、多くの箇所に横線を引きながら、 多くのページの角を折りながら、 興味深く、また共感しながら読みました。 一読するだけではもったいなく、現在、再読中です。 日本の未来にとって、たいへん大切な方を 昨年、私たちは失ってしまったんだなぁ、というのが 第一の読後感でした。 これから私たちが、河合さんの御意思を継いで、 人間社会を立て直して行かなければならない、 「ちゃんと」子供たちを育てて行かなければならない、 自分たちも努力して行かなければならない、 と改めて思いました。 「ちゃんと」と言っても、 それは、ただ単に「正しく」とかいう意味ではなく、 子供たちの「こころ」や「情緒」というものを大切に育てて行くという事。 モノのように、マニュアルに基づいて育てるのではなく、 「子供は思ったようには育たない」ということを前提として、 ままならない事を、親も子も学びのチャンスとしてとらえ、 お互い成長していこう、というスタンスでやって行く事。 そういう事が大事なのだと 河合氏はおっしゃっていると思います。 また、日本では昨今スピリチュア... | ||
子どもと学校 (岩波新書)河合隼雄 ¥ 777 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
子どもと学校 (岩波新書) | |
| とても読みやすい・・・ しかも勘当できる! 著者の真骨頂を見た・・・筆者があとがきで書いているように、「大所高所」からの大まかな教育論ではなく、「小所低所」からの視線で書かれている。書かれているテーマも、道徳、不登校、思春期、性…と多岐にわたっていて、実例も挙げながらの論なので、現場教員にとっても非常に参考になった。話も分かりやすく書かれていて、しかも内容が濃くて、オススメの本です。教育、道徳、性、思春期等、すべて聞き慣れた言葉であり、特別な専門用語は一切出てこない。これらの言葉に著者が魂の息吹を吹き込むと、見えてくる世界がある。そこには固定化された解は無く、相反する事柄や遥か昔に忘れ去った事柄が想起される。想起される事柄は日常生活で忘却されがちだが、逃げることなく全身全霊で取り組み精一杯生きてみよう、という著者からの応援歌が聞こえてくる。こどもを見守るには、エネルギーが無茶苦茶いることが分かる。 臨床心理家として活躍してきた著者による、本書は概念的なものを扱っているのではなく、実践的で、いつの時代にも当てはまるものとして、読み取る事が出来た。というのも、1992年に初版が発行された... | ||
影の現象学 (講談社学術文庫)河合隼雄 ¥ 1,050 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
影の現象学 (講談社学術文... | |
| 自我の抑圧された半面としての影についての考察をしています。 ユング心理学を知らなくても大変面白い本でしたし、事例が多く載っていて、 考察が深く読みやすいので、心理学を研究されている方には勉強になる良い 本だと思います。 影といっても、良い部分、例えば親切さを抑圧していた場合は、白い影として 出てくるという話が興味深かったです。ある生きられなかった半面として出てくる のが影のように思えました。 影の他には、トリックスター・西洋と東洋の違いにいて、などの考察がされています。 本書は、その西洋と東洋の違いを受けて最後に、「極東の特異な島国に住むわれわれ としては、われわれ自身の「第三の道」を見出すことを、自らの力でやり抜いてゆくべき ではなかろうか」という文で結ばれています。 この点を踏まえて特に日本の心理学の未来にかかわる人が読まれると良いのではないかと思いました。 ただ普通の人間には、怖い本です。自分の影を照らす何者かから逃げられなくなりそうで…、 今まで個室だと思っていた部屋が、実は見えなかっただけで、たくさんの扉に囲まれた部屋 だった気分。その扉を開けるという輝く可能性もある反... | ||
ユング自伝―思い出・夢・思想 (1)C.G.ユング A.ヤッフェ 河合隼雄 ¥ 2,940 通常3〜4日以内に発送 ★★★★★ |
ユング自伝―思い出・夢・思... | |
| 他のどの自伝より、著者の心がダイレクトに伝わってくる自伝でした。 蘇る、ユングの魂の叫び、命の鼓動。 ユングの生き生きとした生命が伝わってくるようです。 「ユングの生涯とタオ」も読んでみてください。面白い。 ユングは難解で私なんかに理解できない。 そう思っていたが、その想いが払拭された。 ユングの思想は殆ど知らぬままに読んだ。 つまり、この本が私にとって初のユング著作なのだが 精神科医として、思想家としてのユングではなく 1人の人間としてのユングと対話するように どんどん読み進めることができた。 1人の人間の疑問から、思想が生まれる過程。 そして、その思想そのものにも興味がそそられる。 久しぶりに良著に出会えた。この本は深い、そして面白い。2回読んだけど、3度目もむだろう。賢者の本。錬金術、フリーメーソン、古代ヘルメス思想、グノーシス、などを学んだユングが最後にたどり着いた境地とは。読みそして感じるべし。この本の値打ちは大きすぎるぐらい大きい。83歳になったユングが「私の一生は、無意識の自己実現の物語りである」との書き出しで始まる自伝である。幼少期から不可思議な夢や超常現象... | ||
ナポリへの道片岡義男 ¥ 1,365 通常24時間以内に発送 |
ナポリへの道 | |
| ・・・ | ||
コンプレックス (岩波新書)河合隼雄 ¥ 777 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
コンプレックス (岩波新書) | |
| ユング心理学を射程に入れつつ、コンプレックスと自我の関係、コンプレックスとのつきあいによっていかによりよい自己実現が可能となるか、また夢とコンプレックスの関係などを具体例を提示して、説得的に語っている。コンプレックスの否定面だけでなく、積極的な面もあわせて理解する上で本書は好著だろう。どうしてあの人の前に出ると嫌な感じがしてしまうんだろう。どうして自分が幸せになれないと思う人ばかりと恋愛関係に陥ってしまうんだろう。どうして○○の場面になると逃げ出してしまいたい衝動に駆られるんだろう。 そんな、自分の中にある大小さまざまなひっかかりが、実はコンプレックスというものに大きく関係していることがこの本を読んでわかり、目からうろこだった。それなら、あの人のあの不可思議な行動は・・・?あの人のあの異常な怒り方は・・・?自分の周囲の人たちの理解しずらい面も、おのずと説明できる。 正体不明の「ひっかかり」がコンプレックスに関連しているとするならば、日常的にしている、自分を責めることや他人に嫌悪感を募らせることに、一定のブレーキがかけられそう。自分にも他人にも寛容さを持つことができそう。 「あるコ... | ||
こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)河合隼雄 安部公房 白洲正子 山田太一 谷川俊太郎 ¥ 500 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
こころの声を聴く―河合隼雄... | |
| 村上春樹、安部公房などの名前が載ってたので買ってみました。10人の日本を代表する文人との対話集なんだけど、対話のレベルが高いのでただの雑談めいたインタビューとはわけが違います。河合先生は、本という物、読むという行為について一人一人対話されてるのですが、わかり易く心理学をひきだして話されてるので非常に読み易い。村上春樹が普段語らない様な幼い頃の両親の記憶から小説家なるまでの経緯などを詳しく話してたりとか、その他にも勿論興味深く内容の濃い話ばかりで476円の割りにはかなり楽しめました。小説が好きな人なら、今まで以上に違う視点で読む事を楽しめるようになれる一冊です。河合先生はやっぱり凄い!そうそうたるメンバーとの対談集。それぞれの分野で極めた大先輩ばかりですが、人生や仕事に対する真剣さ・真摯さが伝わってきて、気合いが入ってきます。よし、やるぞ!という気持ちが湧いてきます。くよくよしそうになる時に読んでいます。気分爽快になります。読書歴が浅く、河合隼雄と安部公房が好きで買ったので、対話者の半分くらいは名前も知らない人達でしたが、それぞれの人達の個性がよく出ていて面白かったです。個人的に対話者... | ||